固定種野菜の栽培について

 僕が栽培しているのは、固定種のスイートコーン(とうもろこし)。このとうもろこしの品種は「ゴールデンバンタム」といいます。

 100年以上前に日本に導入された、黄粒スイートコーンの元祖です。昔ながらの品種です。現代のスーパースイート系よりも前からある貴重な品種で、甘すぎずもちもちとした食感が特徴です。

 このような固定種の野菜は、とうもろこしに限らず、スーパーではあまり見かけることは無くなりました。

 固定種の野菜は、現代の農業ではあまりつくられなくなっているからです。

それは、

・同じ品種でも個体差が出やすく、見た目や大きさが不揃いになりがち

・現代のF1種(雑種第一代)と比べて収穫量が少ない

・病気や天候の影響を受けやすく、安定供給が難しい

固定種は、大量生産・大量流通には不向きなのです。

それに比べ、F1品種には以下のような利点があり、農家や企業に選ばれがちです

・病害虫に強い

・収量が多く、品質が安定している

・成長が早い

こうした特性は効率や利益を重視する現代農業にとって必要不可欠な魅力です。

しかし、固定種にも大きな魅力があります

・味が濃く、個性的

・地域の伝統や文化を守れる

・種を次世代に残せる

 近年では、自然農法やオーガニック、地域農業の文脈で固定種を見直す動きも出てきています。

 当農園でも固定種のみを扱い、大量生産はせずに少しの量の野菜を無農薬で化学肥料も一切使わず、丁寧に栽培することをは目的としています。

 私たちは、固定種だからこそ可能である自家採種にて、繰り返し栽培をします。自家採種の繰り返し栽培というのは、収穫した野菜から種を取りまた同じ圃場にて栽培をすることです。

 ですので、種子も無農薬です。

 種子を購入する場合であっても、「化学農薬・化学肥料なし、化学種子消毒なし、遺伝子組み換えなしの有機種子」を利用しています。

 収穫した種を同じ圃場で栽培するのですが、連作障害が絶対起きないよう同じ場所での栽培はせず、位置を変えて栽培します。これは昔からの栽培方法で「輪作」といわれる方法です。

 基本的どの野菜を栽培した後にも、ライ麦やえん麦、ヘアリーベッチ等の緑肥を栽培し、育ったら微生物資材なども投入し土壌にすきこみます。

そうすることで、野菜の健康を害するセンチュウの対策にもなり、ますます良い土壌が作られてゆきます。

そのうえで、更に更により良い土を作っていために輪作を実施しています。

輪作は、「とうもろこし」の後作に「落花生」、その後は→「かぼちゃ」→「じゃがいも」→「とうもろこし」→「落花生」。

というように輪作することで、ますます健全健康な土壌が培われてゆきます。

 健全健康な良い土壌で育つ野菜は、食味も良い、日持ちも良い、健康に良いと言われていますね。事実、カボチャであってもじゃがいもであっても、天日干しした落花生は当然のことながら、どんな野菜も本当に長期間の貯蔵が実現できました。

一般的に「カボチャは丸ごとの状態であれば、常温で2ヶ月程度の貯蔵が可能」と言われているようですが、僕の9月秋収穫のカボチャは、2か月どころか半年経過の翌年2月でもおいしく食すことができました。実際に9か月後の5月でも!甘味は落ちていましたが充分に食べられる状態でした。

しかしながら、やはり僕は科学的なことは知りません。たぶんそのことは科学的には証明されてはいないのかもしれません。

 一般的な栽培方法では、連作障害となるセンチュウ対策に「殺線虫剤」を畑に投入します。これは一般的な農業の作業であり、慣行農業でごく当たり前に行われていることです。

そうすることで、事実センチュウの被害による野菜の病気は防げますが、僕の目指している健康で豊かな土壌にはなって行かないと思うのです。

土壌にはできるだけたくさんの微生物がいて、昆虫も自然とたくさん集まってきて、もちろんミツバチもたくさん来て受粉のお手伝いもしてくれる。そんな土壌で、虫たちの羽の音が聞こえてくる農園で野菜を作りたいと考えています。

 農薬や化学肥料を一切使っていない野菜を食べたい方、さらには「固定種の野菜」を食べたいと考えている方はそんなに多くはないかもしれません。

 しかし、少なくとも僕の家族、そして僕自身は無農薬で化学肥料を一切使っていない野菜を食べたいです。僕の身近な友達にもその方が好ましいと考えてくれている方もいます。

 エネルギーの満ちた固定種の野菜。無農薬で化学肥料を使っていない野菜を食べること。これは健康を願っているということに他なりません。

 そこまで強いこだわりが無かったとしても、多くの方に共通することは、みんな「健康を願っている」ということは同じ気持ちだと思います。

 しかしながら、固定種で、そして化学肥料を使わない栽培ではデメリットは多いです。それは、野菜の生育はとても遅く、結果として育成のばらつきが生じてしまい、サイズが揃わないのです。

大きい物小さいもの。ばらばらになってしまいます。しかも、無農薬での栽培は虫被害ゼロの完全な美しい野菜にならないということも多いです。

 それでも、固定種の無農薬で無化学肥料の健康な野菜が食べたい!僕の「羽のおと農園」はそういう方たちの為に野菜を作ります。僕はただ、食べてくれる方々の健康を願って野菜を栽培していきます。

 最後にひとつだけお願いがあります。

 もしもお手元に届いた野菜に問題がありましたらその場合はどうかお知らせください。問題が起きている事実は知りたいですし、その問題は今後解決できることであれば解決策を探して行きたいです。

どうかよろしくお願いします。